中島教授のご挨拶

中島教授

知的情報処理システムの構成では、システム構成の全体的検討、その中での情報記憶部分と処理部分の重点的検討、さらにそれらを構成する高性能デバイスや回路とその実現方法の検討など、階層的でしかも包括的に研究を進めることが求められ、それぞれの成果を有機的に統合することが必要不可欠である。

中島研究室では、次世代知的情報処理システムのゲートレベルからの構築を目標として新しい集積回路を次の2つの方向から探っている。

  1. 材料、デバイスの変更により高速化・低消費電力化を目指す
  2. 計算機アーキテクチャの変更により高性能化・知的処理を目指す

初めに、1.の方向として単一・束量子による演算に基づく、超伝導位相モードコンピュータの開発研究を行っており、次世代の量子力学的重ね合わせの状態を利用し計算量爆発の問題を解消する量子コンピュータへ発展していくことを期待している。

2.の新しい集積回路システムを探す方向としてニューロコンピュータにより脳の情報処理方式に倣う、脳へ近付けるということを検討しており、その特徴的な機能はハードレベルで学習による機能修正・変更が容易であること、分散記憶・分散制御によるノイマンボトルネックの解消とロバスト性が実現できること、連想記憶またはパターン判別・分類等の知的処理が容易であること、不十分ながら最適値問題に対応でき計算量爆発の問題を解決できること、ゲートレベルでの並列処理ができることなどが上げられ、危機管理などの安全保障問題に対応することが可能となる。

これによりノイマン型コンピュータからニューロコンピュータ、ブレインコンピューティングへとレベルアップすることを目指している。